個展「東雲の便り」終了しました

こんにちは。
2/27(木)から開催しておりましたRTsuki個展「東雲の便り」、3/8(日)18時をもって無事終了いたしました。
かなり遅くなってしまいましたが、本日はこのたびの個展に関する諸々の出来事や、今後の活動予定などについてまとめたいと思います。

技術や経験の少なさに見合わないほど活動期間だけはやけに長い私にとって、満を辞しての個展開催というのはかなり大きな分岐点と言えるものでした。
開催までにいろいろありつつもこうして完遂できて、まずはほっとしたと言いますか、肩の荷が一気に降りた感。
皆さま、本当にありがとうございました。
この難しい状況で無事開催でき、たくさんの方々にご来場いただけましたこと、この場を借りてお礼申し上げます。
が、開催したことでまた思い悩むことが増えているのも正直なところ。
また、この約一ヶ月で日本社会が大きく変化し、状況も変わってきました。
その辺について思うところも少しお話しようかと思います。

(※かなり長くなりますので一旦折りたたみます)

初のライブペイント実施

今回の展示で一つの挑戦だったのが、ライブペイント。
これまでに、実際に描いているところを誰かに見せる機会はなく、SNS等で途中経過を画像や動画で投稿するということもほとんどありませんでした。
SNS等での投稿すらなかった理由としては、私が何かを制作する際のパターンとして、

①描いては没、また描いては没、というのを長期間繰り返している
②逆に短時間で一気に最後まで仕上げてしまう

という場合がほとんどで、きちんと記録を残すのが難しかったからです。
特に②の場合は〆切間近であることがほとんどで、そんなもん残してる時間があったら制作に回したいというのが本音だったり。
そのため、最初から見せる前提で描くというのは、個人的にはかなりの冒険でした。
何があっても没にできない、というのが1番のプレッシャー。
実際のところは結構ミスったり修正に戻ったりして、期間中には仕上げることはできず。
ただ、いい緊張感の中で描くことができて、これはこれでいい経験になったと思います。

ライブペイントの様子はTwitterで随時画像投稿していて、個展終了後も一応の完成段階までは途中経過を追加で載せていました。
興味のある方はこちらからどうぞ→「東雲の便り」ライブペイント

使用画材や紙などの紹介

ライブペイントの際、一応使うかもしれないということで持ってきていたイーゼル。
実際のところは最後までその用途で使うことはありませんでした。
というのも、今回はパステルと色鉛筆で描いていましたが、私がこれらの画材で制作する場合は基本的に紙を床に置いて描いている時間の方が長いから(掃除を楽にするため)。
イーゼルを使うのは、最後の仕上げで作品全体のバランスを見るために立てる必要が出てくる段階くらいしかありません。

そのため、ずっと使わない状態でしたが、それだと場所がもったいないので、おまけとして紙の展示をしていました。
どこのメーカー製で、どの作品で使ったか等の雑な説明を添えた張り紙をつけて。
紙だけだと唐突な感じもしたので、途中から使用画材についても同様の説明を追加。
どうやら会場のアートスープさんに出展している中では、パステルをメインで使用している作家は少ない部類のようで、この辺実は気になっていたというお話も何回か聞きました。
気まぐれにやったことですが、一応やってよかったかな、と思います。
私自身、他の作家さんがどういうものを使っているのかは結構気になるんですよね。
画材はキャプションに書いてくれる人も多いのですが、支持体まではわからないことが多くて。書いてくれると、うれしいなー、とか。ボソッと。

ラフや下描きの公開

今回、額装した展示作品並みかそれ以上かというくらい、妙に反応をいただけたのが下描きファイル。
私が過去に描いたアナログのラフや下描きのうち、手元に残っていて、且つ見せても問題なさそうなものを抜粋してファイリングしたものです。
部屋掃除中に発掘されたものを適当に入れているので年代は順不同、特に古いのだと中学・高校時代という太古の遺物レベルのものまで含まれているというカオス具合(※作者は昭和の人間です)。

もともとは片付けられない、捨てられない女である自分のために、下描きを捨てずにおく口実を作るのも兼ねて始めたのですが…
これが思いの外いろんな反応をいただけまして、本人が一番驚いております。
まず、下描き状態を見られること自体が珍しいというのが一つ。
それに加え、作品一つの構図が決定するまでの間に複数枚描いている場合が多く、しかもそれらを全部残しているという点を興味深く見てくださる方が多かったように思います。
人によっては額装展示作品より長時間見てますよね!?というくらい隅々まで見てくださっていて…。
あくまでおまけコンテンツとして設置したつもりの本人としては空恥ずかしい時間でした。何だこのプレイは、と(※100%自業自得)。

そんなこんなで、謎に好評だったので今後も続けていこうかと思います。

結論→どうせやるならいろいろ見せた方がいいよねって話

とりあえず思いついたことは出来る限りやってみよう、と、いろいろ詰め込みすぎた感のある初個展。
やってみた結果として思ったのは、「普段なかなか見られないものにこそ注目が集まった感がある」ということ。

先に書いたような、ライブペイントや制作の裏側的な部分はもちろん。
額装展示作品にしても、いろんな会場に個別で送り出すことが多いため、ここまで一箇所に集結させることはほとんどなかったのでした。
アートスープさんでしか私の作品を見たことがないという方にとっては、旧作であっても9割方「原画で見るのは初めて」の状態だったと思います。
さらに、前回書いたように「陰」「陽」両方を見せるというコンセプトがあり、幅広い傾向の作品を持ってきていたため、やけにボリュームがあって見応えがすごいといろんな方から言われました。
特に『鬱屈展』で私の名前を覚えたという方が多かったようで、「あ、こういうのも描いてるんだ…」「これとこれ同じ人が描いてたのか…」みたいな反応がちらほらあって個人的にはちょっとおもしろかったり。

せっかく個展をやるのであれば、わざわざ現地へ来てくださる方のために「ここだけ」感のあることをしたい。
今後また個展をやる機会があったとしたら、また違うこともやるかもしれませんが、その考え方については変わらないと思います。

ギリギリの開催時期

さて。
個展初日からは5週間以上、最終日からも約4週間経ちました。
一ヶ月以上経った今思うのは、あと少しでも時期が遅かったらおそらく開催はなかった、ということ。

つい先日の4/7(火)、7都府県に対して緊急事態宣言が出されました。

このブログ上では初めて言いますが、私は埼玉県在住です。
本職としては、接客の仕事をしています。しがない雑貨屋さんです。
つまり、どういうことかといいますと、先の緊急事態宣言に伴う休業要請によってモロに影響を受けている類の人なのでございました。
私の職場が入っている商業施設はかなり厳しいというか何というか、相当なことがない限り臨時休業など発生しないところなんですよ。
(具体的には、私が居着いている過去7年くらいの間、終日休業になったことは昨年の超大型台風発生時以外に一度もありません(台風だろうと大雪だろうと基本は通常営業)(ぴえん)
そんな強すぎる某商業施設が、まず先週の土日(4/4〜/5)に臨時休業。
さらに緊急事態宣言の翌日から先、約一ヶ月間の長期休業を決めました。
これだけでもう、本当に、過去に例がないくらいの非常事態なんだなと実感しています。

施設側が休業を決める以前にも、我が職場では感染拡大を避けるために様々な指導がなされてきました。
それでも就業時間以外は本人に任せるほかないので、結局は「各自が自覚ある行動を」、という話レベル。
それも2月中はまだ今に比べれば制限はゆるく、世間も今よりずっと危機感が薄かったと思います。
しかし、あれから一ヶ月以上。状況は大きく変わっています。
明らかに人が密集するような場所以外にも、外出すること自体を自粛するよう呼びかけられるようになりました。

準備中はギリギリ2月で、その当時の状況から開催を決めた。それだけ。
もし、あと一週間でも遅かったら、開催は確実に自粛していたでしょう。
たとえギャラリーの方が大丈夫ですよと言ってくださったとしても。
集客力の有無に関わらず、他人を呼ぶ、外出を促す催しを行うことに変わりはないわけで。
個人の活動が原因で職場に迷惑をかけるわけにはいきません。
特に、私は接客業ですから。

開催前にも相当悩みました。
そして実際に開催した後になっても、本当にその判断でよかったのか、など未だに思うところがたくさんあります。
どれだけ皆さんが肯定してくださったとしても、当分、もしかしたら一生心にしこりが残り続けることになるかもしれません。
今回の開催によって、実は見えないところで何かが発生していた可能性も全く否定できるわけではないのです。
誰も証明できないのです。どうやっても。
開催期間中、群馬県内でも初の感染者が出ました。
今はただ、皆さまが無事であることを祈るしかありません。
どうか、どうか…。

ギャラリーとは、アートとは、人々にとって心の拠り所になるような、誰をも受け入れてくれるようなものであってほしいと思っています。
そんな場所が、文化が、一つの疫病によって成り立たなくなってしまいそうな現状が悔しくて仕方ない。
こんな悩みを抱える日が来るなんて思いもしなかった。
ここは本当に日本なのか、と思うようなことが続く毎日。

願わくば、1日も早い終息を。

今後について

無名の人間による初個展としては上々の結果だったと思います。
関係者の方々やご来場いただいた方々には本当に感謝しています。
私個人としても本当に幸せな時間でした。
もし、また次に個展が開催できるとしたら、今度は、今度こそは全員が笑顔で安心して会えますように。
そんな日が来るよう、これからも地道に制作活動を続けていきたいと思います。
しばらくは原画の展示予定はありませんし、できる状況でもないので、Web上でできることを中心に模索中。
今のところは、これまで通りのWebでの作品発表に加え、何かしらの通販サービスを始められないか準備を進めています。
(どうせ一ヶ月は外に出られませんし…)
告知はここやSNS等で随時行っていきますので、今しばらくお待ちくださいませ。

今後とも、よろしくお願いいたします。

2020年4月9日 RTsuki(リツキ)

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